出版業界で求められている人材って? 編集プロダクションの「求人」について

出版業界で求められている人材って? 編集プロダクションの「求人」について

書籍や雑誌の出版に携わる「編集者」の仕事は、出版業界でも花形と言えるポジション。憧れる人も多い職業だが、世間では「どうすれば編集者になれるのか分からない」といった声も少なくない。そこで今回は編集プロダクションの「求人情報」に注目し、業界の実情を紹介していこう。

■編集プロダクションの求人は未経験でもOK? 出版社との違いについて
編集者として出版業界で働くためには、出版社か編集プロダクションのいずれかに就職する必要がある。そこでまず出版社の求人について説明すると、「学歴」を重視していることが多いのが特徴。「4年制大学卒業以上」という選考基準を設けている求人も多く、“一流大学卒”でなければ出版社に就職することは難しいとも言われている。

また出版社の求人は「採用人数が少ない」という点も大きな特徴。大手出版社では毎年のように新卒採用を実施していて、多くの新卒学生が求人に応募している。しかし実際に出版社が採用する人数は、一般企業の求人と比べてかなり少なめ。応募者数と採用者数とのギャップから、倍率が数百倍に達することもあるほど狭き門となっているようだ。

出版社の求人には新卒採用だけでなく中途採用も存在するが、応募資格として「編集者としての実務経験」を求められることがほとんど。編集職未経験の場合は、出版社の正社員として働くことは難しいのが現状となっている。

それに対して編集プロダクションの求人にはどんな特徴があるのだろうか。最も大きな違いは、学歴を求められることがほとんどないということ。実際に編集プロダクションが掲載している求人情報を見てみると、「学歴不問」を謳っている会社が多いことが分かるだろう。

また編集プロダクションの求人は新卒募集より中途採用の割合が圧倒的に多い。しかし編集プロダクションは人手不足に悩まされている会社が多く、出版社の中途採用と違って未経験の人材でも積極的に採用を行っている。

編集プロダクションの求人には「出版社と比べて賃金が低め」「正社員の募集が少ない」といった側面もあるが、未経験でも出版業界で働けるのは大きな魅力。実績や経験年数によって待遇が良くなっていく実力主義の世界でもあるので、モチベーションの高い人にとっては最適な環境だと言えるはず。

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■“紙系”と“WEB系”で違う編集プロダクションの求人
一口に編集プロダクションといってもその種類は様々。代表的なものでは紙媒体の書籍や雑誌を手がける“紙系”編集プロダクションと、WEB上のコンテンツ制作を行う“WEB系”編集プロダクションの2つに分けられる。

“紙系”編集プロダクションは出版社などのクライアントから依頼を受け、書籍や雑誌の制作を行っていくのが基本的な仕事内容。現在の出版業界では本を作る際に「Adobe Photoshop」や「Illustrator」などのDTPソフトを使って、印刷所に入稿するための組版データを作成していく。基本的には社外のデザイナーに外注してデータを作成するが、編集者自身がDTPソフトを使えると仕事の幅が広がることに。必須条件となっている求人こそ少ないものの、持っていると優遇されるスキルの一つだと言えるだろう。

それに対して“WEB系”編集プロダクションの場合、紙媒体と違って印刷所に組版データを入稿する必要がない。印刷物ではなくWEB上で閲覧できるコンテンツを手がけるため、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)などを利用してデータをアップロードするだけで済む。そのため“WEB系”編集プロダクションの求人ではDTPソフトよりも、IT系のスキルが優遇される傾向にあるようだ。

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■漫画編集に求められるのは? 業態によって異なる編集プロダクションの求人
編集プロダクションは“紙系”と“WEB系”の2種類だけでなく、他にも色々な業態に分かれている。その中には漫画の企画・編集を中心的に手がける“漫画系”編集プロダクションといった業態も。主な仕事内容は漫画作品の企画・制作だが、才能ある漫画家を発掘して育てることも大切な業務の一環となっている。

漫画編集者は世界観やキャラクター設定からコマ割り、セリフ回しに至るまで作家と二人三脚で作品を作り上げていくもの。とくに流行り廃りがはっきりしているジャンルなので、編集者にもブームに乗り遅れないアンテナの感度が求められる。求人情報を見てみると「未経験OK」という会社も珍しくないが、その場合にも漫画好きであることは必須条件。採用面接の際にも漫画に関する知識量や、漫画作りに対する情熱を確認されることが多い。

ほかにも編集プロダクションには様々な業態があり、仕事内容によって求める人材も変わってくる。たとえば学校教材の編集を得意としている編集プロダクションでは、教員資格を持っている人材や英語講師の経験がある人材を募集していることも。編集プロダクションのあり方は出版社よりも多様で、専門的なスキルに特化した働き方ができる環境となっているようだ。

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