出版社と編集プロダクションの関係性―仕事内容や働いている人材の違いについて

出版社と編集プロダクションの関係性―仕事内容や働いている人材の違いについて

通称“版元”と呼ばれる出版社と“編プロ”こと編集プロダクション。どちらも出版業界を支えている重要な存在だが、どんな仕事内容なのか具体的に知っている人は少ないかもしれない。今回は出版社と編集プロダクションの関係性や仕事内容の違いについて詳しく紹介していこう。

■出版社と編集プロダクションの仕事内容と関係性について
そもそもあなたは出版業界の仕組みをご存知だろうか? 本が刊行されるまでの流れを簡単に説明すると、まず最初に出版社が本の企画を立てるところから始まる。続いて企画を実現するために取材や原稿の執筆などの制作作業が行われ、印刷所にデータを入稿することで本が完成。出来上がった本は“取次”と呼ばれる業者によって各書店に流通し、一般的な消費者の手元に届くという流れになっている。

基本的に書店で売れなかった本は取次を介して出版社に返品されるので、書店は大量の在庫を抱えてしまうリスクを避けられるという仕組み。ただし最近では、取次業者を介さずに書店と出版社が直接やり取りをするケースも増えているという。

本が流通するまでの制作過程全般に関わっているため、出版社の仕事内容は多岐に渡っている。しかし実際には業務量の多さから、途中の工程を社外に委託することがほとんど。そこで出版社からの依頼を受け、制作に携わるのが編集プロダクションの主な仕事内容だ。

出版社と同じように書籍や雑誌の制作を行うものの、編集プロダクションは基本的に自社出版を行わないという大きな違いがある。編集プロダクションの仕事の流れとしては、まず出版社や広告代理店から依頼を受けて企画の詳細を固めるところからスタート。クライアントからGOサインが出たら、原稿を用意したり紙面をデザインして企画を形にしていく。また出版社との契約によっては、編集プロダクションが紙面の校正や印刷所への入稿までを担当することも珍しくない。編集プロダクションが担当する仕事内容の範囲は出版社との契約次第で変わり、本の制作過程全てに関わることもあれば「取材だけ」「紙面づくりだけ」といった形で一部だけを請け負うこともある。

出版社が編集プロダクションと仕事をするメリットとしては、業務量軽減のほかにも「社内で制作できない本の企画に手を出せる」といった点があるようす。出版社に専門的なノウハウがなくても、そのジャンルを得意としている編集プロダクションのライターに依頼すれば企画を実現することができる。そのため出版社が依頼しやすいように、公式サイトなどに仕事内容と合わせて得意ジャンルを記載している編集プロダクションも多い。

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■出版社と編集プロダクションの違いって?
それでは出版社と編集プロダクションには、会社としてどんな違いがあるのだろうか。最も大きな違いと言えるのは「利益を得るための仕組み」。基本的に出版社は刊行した本の売上が高ければ高いほど利益を得ることができる。しかし売上高はそのまま利益になるわけではなく、書店や取次と配分することに。また原稿料などの制作費も支払わなくてはならないため、本の売上が低ければその分経営も逼迫していくことになる。

他方で編集プロダクションの場合には出版社と違い、クライアントから依頼を受けた時点で編集費が生じるのが一般的。売上に関わらず利益を得ることができるので、本が売れなかった時のリスクを抑えられる。逆に言えば、もし本が爆発的にヒットしても編集プロダクションはあまり恩恵に授かることができない。そのため出版社は1冊の本をヒットさせるためにコストをつぎ込むことがあるが、編集プロダクションは1つの企画にこだわるよりも多くの企画を多くこなそうとする傾向がある。ただし例外的なケースとして、編集プロダクションが出版社と印税契約を結び、本が売れた際に利益を得られるようになっていることもあるようだ。

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■出版社と編集プロダクションで働いている人材の違い
出版社と編集プロダクションでは仕事内容だけでなく、必要な人材の種類にも大きな違いがある。まず出版社の特徴としては、会社内で役割分担がはっきりしていることが多い。会社の手がける仕事内容によって違いがあるものの、出版社の部署は“制作系”と“営業系”に分かれているのが一般的。制作系の部署で働いているのは主に書籍の編集に特化した人材で、原稿を執筆するスキルや印刷物のデータを編集するDTPソフトを扱うスキルなどが求められる。また大手の出版社では会社内に専門のデザイナーがいたり、出版物に誤植や事実確認のミスがないかチェックする校閲担当者がいる場合も珍しくない。

そして出版社の営業系部署では、書籍の制作ではなく流通以降の過程に携わることに。制作した本が売れるように、書店や取次に営業を行うのが主な仕事内容となっている。一般的な営業職と同じく明るい人柄やコミュニケーション能力が求められるほか、書籍の企画を提案することもあるため企画力が必要に。そのほか出版社では著作権を管理するための部署が設けられていたり、「総務」や「経理」といった部署が独立していることもある。

出版社と違い編集プロダクションの場合は、出版社ほど役割分担がはっきりしていないことが多い。クライアントからの依頼によって仕事内容が変わるので、本の企画から編集・ライティングまで幅広く対応することが必要。編集プロダクションでは出版社と違い「営業」も編集者が行うことがほとんどで、“営業系”と“制作系”の垣根がない環境で働くことになる。編集プロダクションの編集者は一人で何役もこなさなければいけない半面、出版社と違い多彩なスキルを身につけられるというメリットがあると言えるだろう。

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